【初心者向け】GA4の基本的な使い方と見るべき指標とは?
ウェブサイトを活用した集客力を強化するには、アクセス状況の継続的な分析と改善が欠かせません。このアクセス解析に役に立つのが「Google Analytics 4(GA4)」です。GA4は代表的な解析ツールの一つであり、幅広い用途で活用されています。GA4は、単なるアクセス数ではなく、「ユーザーの質」や「行動の深さ」を捉えることで、より実用的な改善につながる分析を可能にしています。
本記事では、「GA4の基本」について紹介します。サイトのパフォーマンスを監視し、改善のヒントを得たい方はぜひご参考にしてください。
目次
アクセス解析は何のためにある?
アクセス解析ツールとは、自分のサイトに訪れた人のデータ(アクセス)を解析するためのツールです。ユーザーがどの経路から訪問し、どのページで離脱しているのか、どのコンテンツに関心を示しているのかといった行動を把握することで、課題の発見と改善策の立案が可能になります。データに基づかない施策は、効果が見込めないばかりか、リソースの無駄につながる恐れもあるので注意が必要です。
GA4とは?
Google Analytics 4(GA4)とは、Googleが提供する代表的なアクセス解析ツールです。ウェブサイトに訪れたユーザーの行動や特性を可視化し、改善に活かすことを目的としています。GA4は主にサイト内の分析がメインとなり、ユーザーの足跡を記録し、サイトへの流入状況や属性、行動、成果をデータとして集計してレポートとして活用することが可能です。
GA4で取得できるデータの基本
GA4では、主に「サイトへの流入」や「ユーザーの属性」「サイト内での行動」「サイト内で発生した成果」などのデータを取得することができます。また、2023年に「従来UA」から「GA4」に完全移行し、「ページ単位」ではなく「エンゲージメント単位」を中心とした解析が重要視されるようになりました。これにより、表面的なPV数ではなく、ユーザーがサイト内で「どれだけ積極的に行動したか」が軸になっています。
GA4の主要な指標と見方
①ユーザー
「ユーザー」では、サイト訪問者に関するデータを見ることができます。主に、何人が訪問したか(ユーザー数)や、どのような成果があったか(キーイベント)、ユーザー属性などを確認することができます。このようなユーザー情報から適切なコンテンツをイメージすることができます。
②テクノロジー
「テクノロジー」では、ユーザーの利用環境に関する情報を取得することができます。OS、ブラウザ、デバイス(モバイル・デスクトップ・タブレット)など、ユーザーの閲覧環境の傾向を把握できます。サイトの表示や操作性の最適化にも役立ちます。
③集客(流入経路)
「集客」では、どこからユーザーが来たのか(ユーザーの流入経路)を確認できます。
「ユーザー獲得」では、初回訪問者の流入元を特定する指標で、「検索エンジン」や「SNS」、「YouTube」、「他のサイト」、「流入元が不明」で分類されます。「トラフィック獲得」は、すべての訪問者の流入経路を延べ数として集計し、継続的な集客の傾向を読み取ることができます。
「Direct」と「Unassigned」の違い
「Direct」と「Unassigned」は、いずれも「流入元が特定できない」という点で共通していますが、その意味合いや使われる場面は明確に異なります。「Direct」は参照元(source)やメディア(medium)が不明なトラフィック、つまり「URLを直接入力」「ブックマーク」「パラメータなしのSNS内ブラウザ」など、ユーザーがどこから来たかがわからないときに使われます。一方で「Unassigned」は、GA4で定義されているディメンションの分類に該当しないデータが記録された場合に表示されるラベルです。
④ランディングページ(サイト内での行動)
「ランディングページ」では、ユーザーが最初に訪れたページを確認することが可能です。以前は直帰率を主に参照していましたが、GA4では「エンゲージメント(10秒以上滞在したセッション数)」や「エンゲージメント率」によって、ページの価値を評価できます。
⑤ページとスクリーン
「ページとスクリーン」では、各ページがどれだけ表示されたか(PV数)を確認することができます。よく見られているページを確認することができます。
⑥イベント
GA4では、「イベント」という単位でユーザーのアクションを記録します。たとえば、ページを最初に訪れた際の「first_visit」、一定以上スクロールしたときの「scroll(90%)」、外部リンクのクリック、ファイルのダウンロード、動画の再生開始など、多様な動作が個別のイベントとして記録されます。
この仕組みによって、従来の「ページビュー」だけでは把握できなかったユーザーの動きを詳細に把握することが可能です。イベントはカスタマイズも可能で、自社サイトに合わせて必要なアクションを自由に定義し、追跡することができます。
⑥キーイベント
GA4における「キーイベント(Key Event)」とは、サイト運営上「特に重要」と考えるユーザー行動を明示的に指定し、成果指標(コンバージョン)として扱うためのものです。「問い合わせ完了ページの表示」「資料請求ボタンのクリック」「購入完了」などスクロールやページ滞在時間ではなく、明確な目的達成につながる行動に対して使用します。
自分で設定しない場合
「管理」から「キーイベント」で、すでに計測されているイベント一覧からワンクリックで設定することが可能。(最大30個まで)
自分で設定する場合
キーイベントは条件を指定して設定可能。「イベントを作成」→「作成」
例:)パラメーター「event_name」、「page_view」
パラメーター「page_location」、「/complete/」
おすすめの機能「内部トラフィックの除外」
GA4(Google Analytics 4)では、サイトの分析精度を高めるために「内部トラフィックの除外」機能を活用することが推奨されます。この機能を使えば、自社の従業員や開発者など、一般のユーザーとは異なる行動を取る内部ユーザーのデータを解析対象から除外できるため、より実際のユーザー行動に即したレポートが得られます。
具体的には、内部トラフィックとは、特定のIPアドレスからのアクセスを指し、GA4ではそのIPアドレスを条件に「内部トラフィック」として定義し、その後、フィルタルールを適用して除外する設定が可能です。
除外設定方法
「データストリーム」→「タグ設定」→「内部トラフィックの定義」と進み、IPアドレスを条件に設定します。その後、「データフィルタ」で該当トラフィックを除外するステータスにすれば反映されます。
各指標の用語解説
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・表示回数(ページビュー数)
・セッション数(訪問数)
・総ユーザー数
・新規ユーザー数
・アクティブユーザー数(1秒以上閲覧)
・エンゲージメントのあるセッション数(10秒以上閲覧)
・直帰率(1ページだけ閲覧して離脱)
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1. 表示回数(ページビュー数)
ページビュー数とは、ページが表示された回数を示す指標です。同じユーザーが複数回同じページを閲覧した場合は、その都度カウントされます。
表示回数に関するよくある勘違い
表示回数は、「検索結果に表示された回数(impression)」と「Webサイトが読み込まれた回数(page view)」の2つの意味で使われます。Google広告やサーチコンソールでは前者、GA4では後者の意味合いになります。GA4での表示回数とは、広告やサーチコンソールでいう「クリック数」に近い意味となり、「ユーザーがWebサイトを閲覧(表示)した回数」という意味になります。ただし、GA4では検索エンジン経由に限らず、すべてのトラフィックからの閲覧がカウントされるので、広告やGSCでのクリック数とは実際には意味が異なる点、注意が必要です。
2. セッション数
セッションとは、ユーザーがサイトを訪問してから離脱するまでの一連の行動を1回としてカウントする指標です。30分以上操作がない場合や、日付をまたぐと新しいセッションとして記録されます。例えば、同じユーザーが朝と夜にそれぞれ1回訪問した場合、2セッションとカウントされます。セッション数の増減は、流入経路の変化やコンテンツの更新頻度と関連しており、マーケティング施策の効果を評価する指標になります。
3. アクティブユーザー数
アクティブユーザー数とは、期間内に1秒以上サイトに滞在したユニークユーザー数を示します。同じユーザーが何度訪問してもカウントは1人として扱われます(※ただし、デバイスやブラウザが異なる場合は別ユーザーとしてカウントされる可能性あり)。
4. エンゲージメントのあるセッション数
エンゲージメントのあるセッション数とは、10秒以上滞在したセッションの数を指します。2回以上のイベントを発生させた(クリック・スクロールなど)ことが条件に含まれます。
5. 直帰率
直帰率とは、1ページだけ閲覧してサイトを離脱したセッションの割合を示します。直帰率が高いと、訪問者がサイトの他のページへ移動せずに離脱していることを意味します。直帰率が40%以下であれば、比較的良好な水準ですが、流入経路別に分析し、特定のページで直帰率が高い場合は改善が必要になります。
GA4とサーチコンソールの違いは?
GA4とGoogleサーチコンソール(Google Search Console)は、どちらもウェブサイトのパフォーマンスを分析するためのツールですが、得られる情報と目的が大きく異なります。
サーチコンソールとは?
Google Search Consoleは、Googleが提供する無料のサイト解析ツールです。Google検索結果でのパフォーマンスを分析し、改善するのに役に立ちます。主に、検索クエリ、クリック数、表示回数、クリック率などのデータを確認することができます。
サーチコンソールは「ユーザーが検索結果からサイトを訪れる前」の情報を把握するためのツールです。「どんな検索キーワードで表示されたか、何回インプレッションされたか、クリック率はどうか、検索順位はどう推移しているか」など、検索エンジンとの関係に特化した情報が得られます。SEO施策の分析やクローラーエラーの確認、インデックス状況の把握など、検索パフォーマンスの最適化に役立ちます。
GA4とは?
Google Analytics 4は、ウェブサイトに訪問したユーザーの行動や属性を分析できる無料のアクセス解析ツールです。主に、「訪問回数、訪問人数、流入経路、ページビュー数、平均PV数、平均滞在時間、直帰率、離脱率、新規訪問率」などのデータを計測することが可能です。
GA4は「訪れたユーザーの行動」を追跡・分析するためのツールです。どのページにアクセスしたか、どのボタンをクリックしたか、どの経路で来訪したか、など、ユーザーがサイト内でどのように動いたかを把握できます。流入後の行動データが中心で、イベントやエンゲージメントに重きを置いています。サイト改善や広告効果の測定にも適しています。
解析ツールより重要なこと
解析ツールは、検証した行動を振り返り、次の改善に活かすために用いるものなので、まずは「実行」することが重要です。